「いま世の中で自分と全く同じことを考えている人がどれくらいいるだろうか?」と考えてしまう癖が直らない

僕は普段「いま自分と全く同じことを考えている人、世界中に何人いるかな?」ということを考えているときがあります。これは、なにか特別な状況に陥った時に「こんな気持ち、自分以外に世界で全く同じように味わっている人がいたら面白いな」ということを考えだしたことがきっかけです。

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本日は初めて運転免許証の更新に来ています。この記事もその待ち時間で書いています。今日も今日とて、「同じタイミングで免許更新する人、何人くらいいるのかな?」みたいなことを考えていました。平日の昼下がりの変な時間だしそこまで多くはないだろうな、という根拠のない予想を立てていたのですが、実際に到着してみると、センターに向かうバスの乗客のうちの10人ほどその場で降り「あれ、意外に多いな」と面食らってしまいました。さらにセンターに着くと、もうそれは「なんかのイベントがあるのか?」と思うほどの人でごった返していました。平日なのにすごいですねあれは。

 

ただ、自分で言うのもおかしいのですがこれは完全に想定の範囲内なのです。毎回のことなのですが、自分が「そういう人、そんなにいないだろうな」なんて思っていても、結構普通に存在するものなんですよね。今回の場合がそうであったように。自分の想像する範囲内の出来事は意外にその辺に転がっているものです。ただ、これは最初からこのようなことを考えていたわけではなく、僕のとある経験に基づいているんじゃないかと思っています。

 

僕は以前、親指にできた「イボ」について真剣に悩んでいる時期がありました。中学2年の時に突如として現れたヤツは、年月を経るとともに無くなっていくどころか、成長・増殖(といっても、そこまでひどくはないのですが。)していき、高3になる頃には両手に10箇所以上抱えるまでに至りました。

今思うと「さっさと病院にいけよ」というだけの話なのですが、当時の僕はとにかくビビっていたのです。イボの治療は基本的には液体窒素を患部に押し当て火傷の状態にし、腐食して削り取るという方法が一般的なのですが、これはとんでもなく痛みを伴う治療なのです。僕は病院に通う前にその治療内容だけを知ってしまい、完全に怖気づいてしまいました。「そんなに痛いなら、いっそ指ごと切り落としたい…」、笑ってしまいそうになりますが、当時は本当にそこまで追い込まれていました。目の前を通り過ぎる電車を見るたびに「指だけちぎってくれないかな」と、毎日考えていました。朝起きてイボを確認、昼の休憩中にイボを確認、風呂にはいるときにイボを確認。ごくまれに、イボが綺麗さっぱりなくなっている夢を見るのですが、目を覚まして慌てて確認するとやっぱりある…。片時も忘れることなく、常に頭のどこかに「イボ」の存在を抱えながらの生活でした。言うなれば、8月中旬の学生が感じる「宿題やらないとな…」みたいな感覚をずーっと引きずってる感じです。それはもうとにかく憂鬱でした。

そんな日々が2年ほど続いたのですが、僕は意を決して皮膚科に通い治療をすることにしました。簡単なきっかけだったのですが、それまで見ないようにしていた「イボ」の画像をネットで検索してみると、僕なんかより数倍いや、数十倍も大変な思いをしているひとがいるじゃないか、ということに気づいたのです。それを知ってからは、「自分なんてたったこの程度なのに、、、」となんだか申し訳ないというか、恥ずかしくなってしまい、治療することを決心しました。実際、始めてみると痛みで涙が出ることはありましたが、途中で断念するようなことはなく、なんとか完治するまでに至りました。めでたし。

この出来事を経験してからというもの、「自分より大変な思いをしているひとはいくらでもいる」、「自分が経験してる程度のことは珍しくともなんともない」というごくごく当たり前のことを強く意識するようになりました。具体的に言うと「花粉症」もそうです。それまでは、「こんなに辛い思いをしているのに、花粉症ではない人はなんて羨ましいんだ…」なんてふうに思っていました。しかし、自分の花粉症はシーズンも限られていますし、中には「年中鼻炎です」みたいな方も当然いるわけです。単純な話で、甘えるな、ということなんでしょう。

 

 そうこうしているうちに、名前をよばれる列の最前列まで来てしまいました。しかし僕は変なルートを通ってこの位置まで来たので意外に早めに最前に着いてしまいました。これだと、僕より前に受付が済んだ人に「あいつ、名前呼ばれてないのにずっと前で待ってるな」なんて思われたらどうしよう。「やっと呼ばれたかと思ったら変な苗字だな」とか思われたらどうしよう。普段出さないようにしている自意識が、ここへきてメキメキと顔を覗かせてきました。

 

ただ、ふと同時に「いま、全く同じことを考えてる人間、さすがにいないだろうな、、、」と、少しばかり自意識を抑えずに考えていた矢先、隣の男性が何やらスマホでメモを取っていて「やばい、同じことをメモっていたらどうしよう」という、恥ずかしさが徐々に出てきて自分の甘さを感じてしまいました。そんな平日の午後の出来事でした。