今日日、「なんのオタクでもない人」はつまらない。

僕は、誰かが自分の「好きなもの」について語る姿が好きだ。

特に、芸人が自分の好きなものについて語るのが好きで、このシーズンに地上波で放送されている、オードリーが出演している『NFL倶楽部』なんかはもうたまらなく面白い。オードリーは中高と同じアメフト部だったことからこの番組のMCを務めているんだけど、やっぱり他の番組とは心なしかテンションも一回り高く見えるし、なにより楽しそうに見える。

そんな彼らは間違いなく、「アメフトオタク」だろう。若林にいたってはフィギュアやゲームをはじめとしたNFLグッズを集めているほどだし、深夜の代々木公園でパスの練習をしていたこともあるくらいで、誰がどう見ても熱狂的なアメフトオタクだ。

 

かくいう僕は、お笑いオタクで、そのなかでも特にオードリーオタクだ。CSで放送されていた『おどおどオードリー』はDVDを買って見ているし、『オードリーのオールナイトニッポン』はR時代から全ての回を聴いている。彼らにまつわる本も全部買って読んでいるし、市販されている彼らの作品はほとんどすべてみてきた。はっきり言って気持ち悪いだろう。

 

ところが、世の中には稀に、「なんのオタクでもない人」がいる。すなわち、「オタクです」と自称できるトピックが何もない人だ。

 「趣味」の在り方や考え方は人それぞれで、いろんな考え方がある。なかには「私は何にもハマりません」という人もいるかもしれない。まぁ、これは極端にしても「自分はこれが好きだ!」、「◯◯のオタクだ!」って声を大にして語れる人は少なくないような印象を受ける。

 

ただ、正直に言うと僕からしてみればなんの「オタク」でもない人はつまらない。これまで生きてきて深くのめり込むものなかったのか?という疑問もあるし、なにより「この人の話を聞いてみたい!」とならない。

この、「この人の話を聞いてみたい!」という直感は結構大事で、例えば、自分が全く興味のなかった分野でも、その道のことを知り尽くした「オタク」の話なら、「ちょっと聞いてみたいな」と興味が湧いてくる。つまり、人としての魅力が感じられる。

逆にそうでない人は、個人的には「魅力的でない人」になってしまうし、なんか「浅い」と感じてしまう。

 

最近は、カンタンにTwitterやFacebookを始めとしたSNSなどでファン同士でつながることが可能だし、調べようと思ったらその対象についていくらも調べて知識を蓄えることもできる。

要は、誰でも手軽に「オタク」になれる時代だ。別に、『タモリ倶楽部』や『マツコの知らない世界』に出れるくらいの知識を持ったスーパーオタクになろう!、とは言わない。ただ、こんな時代だからこそ「自分は◯◯オタクです!」と言えるようなトピックを身につけることが、「おもしろいヤツ」、「なんかわからないけど、とにかく話してみたいヤツ」になれる手段の一つなんじゃないかと思う。