西加奈子さんが語るオードリー・若林の「童貞感」
最近、日曜は前日に録音したオードリーのオールナイトニッポンを聴きながら井の頭線沿線をふらふら歩くのにハマってます。
先週も永福町あたりを歩きながら聴いていたんですけど、その回のゲストが西加奈子さんという方。
『サラバ!』という作品で直木賞を受賞されている小説家の方で、若林さんとも交流がある方なんだそうです。
で、この回がめっちゃくちゃ面白かった。
ほんとに、歩きながらニヤニヤするのを我慢できませんでしたからね。ギリギリ無理でした。
特に、若林さんが一昨年出版した『社会人大学人見知り学部卒業見込み』の内容に関しての西さんの感想が、めちゃめちゃ共感できたんですよね。
西さんは若林さんにある種の「童貞」っぽさを抱いていたそうなんですが、僕も読んだときふわっと似たようなことを感じていて、それを完全に言語化してくれたような。
で、これを聴きながら、「うおー!!分かる分かる!!!」と共感すると同時に、なんかどうしても書き起こしたくなってムズムズしてきたんですよね。あるときを境に書き起こしはしなくなったのですが、こればかりはどうしても残しておきたいので書いておこうかと。
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若林 飲み会で強気な、「私中身男だから」って自分で言うようなタイプの女の人が、「若林くんってなんかさぁ、人見知りとか言ってるけどさぁ…」ってすごい圧で来るのよ。で、それにすごいムカついちゃうのよ。
西 うんうんうん。
若林 だから、「今日は受け身の飲み会になるな」なんて日もあるんだけど、西さんってスーッと「童貞やんなぁ、童貞やんなぁ」って入ってくるから、
西 すごい、本気で思ってたんやろな。
若林 ww
西 本気でぶつかったら分かってくれるやん、若林さんって。
若林 wwww 西さん、本気で「童貞」って言うのやめてよ。笑
西 字義どうりの「童貞」ってのもあるで。でも、まぁその話も今度ゆっくりしよう。
若林 うん。笑
西 セックスがな…、
若林 いきなりセックスっていうのもなんだけども。笑
西 「セックスってなんだろう」って話を今度1回みんなでしよう。
若林 なんでそんなこと決めるのww
西 ちゃうねん!ちゃうねん、これは本当に小説に書きたいのもあってな。
若林 あっ、セックスってなんだ?ってことを。
西 そうそう、「童貞」「処女」ってなんだ?って話をしたくて。でも、今やったらめっちゃ長なるから。
字義どうりじゃない「童貞感」が若林さんにはめっちゃあって、エッセイを読んだときとか。
若林 あー。
西 まぁ、その、めっちゃ売れてはるやん?
若林 まぁねぇ。笑
西 wwww 腹立つ。笑
若林 「腹立つ」ってw
西 でも、出てはるテレビとかやってはることが、言うたら最上級の女性を抱きつつけてるようなもんやんか。
若林 そうなの?
西 テレビとか、その業界で言ったら。
若林 あっ、テレビで言ったらね。うんうん。
西 でも、いちいち「これでいいかな?」ってなってて、毎回「うわっ!女の体こんなんなってんねんや!」みたいな…、
若林 はっはっはっwww
西 全部がファーストタッチっていう感じがしてん。
若林 じゃあ、初めておっぱい触るような感覚でいろんな話してんだ、俺。笑
西 うん!
若林 じゃあ、みんな疲れてるだろうね。笑
西 でも、それ自分らが真っ先に失うものやん。うまいことできるようになるやん。
でも、(若林さんは)全然できひんやん。
若林 はっはっはwwwwww
西 ええことやねんで!これ褒めてんねんで!
若林 wwwww
西 だってさ、会議のときにさ、まっすぐなこと言いすぎてみんなが引くとか怖いやん。
若林 こわいね。
西 でも、それをやってまうやん。
うん、会議にね。笑
西 「そんなん知らんねや!」みたいな。笑
若林 ww
西 うちらも昔はそうやってはずやけど、「こんな売れてる人がこんなことにびっくりするんや!」ってことにびっくりして。嬉しかってんで。
若林 そういう意味の「童貞感」なんだ。
酔っ払ってるからなんだな。「童貞やんなぁ」って話になるのは。
西 でも、どっちでもあるで。字義通りの「童貞」ってのと、メタファーとしての「童貞」をどっちもぶつけちゃったんやと思う。笑
若林 あぁ、一気にねw
西 そうそう。
若林 いまようやく解決した。
西 ほんと?でも、ゆっくりしゃべりたいで。みんなでゆっくり。
若林 みんなでゆっくり会ったときにセックスについて話す時間があった方がいいんだ?
西 うん!うん!うん!
若林 はははははww
西 えっ、でもそうじゃない?全然、セクハラじゃなくてやで。真剣にな。
若林 うんうん。
でも、例えば西さんが、男の子と付き合ってて、男の子はお金ないの。
西 うんうん。
若林 まだ、成功してない人で。
西 うんうん。
若林 (西さんは)女性の中で10万人に1人くらいの、自分の誕生日に牛丼屋でもいい人だよね。
西 10万人に1人ちゃうで、そんなもん。
若林 違うの?
西 4人に1人くらいいけんで。
若林 えぇええええええwww
西 いけるいける!
若林 いや、それは俺譲れないわ。10万人に1人だと思うわ。
西 いやでも、童貞の意見やからな。笑
若林 はっはっはwwwwwwww
西 4人に1人じゃないにしろ、いけるって!ホントに。
若林 勇気が湧いてくるわ。
西 イケるよ、イケる。全然イケるよ。
若林 あぁ、そんなもんか。ガールズバーしか行ってないからか…。笑
西 www やめとけ。笑
引用:『オードリーのオールナイトニッポン 2015年6月6日』
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内容もとにかくおもしろいんだけど、西さんの会話のテンポや関西弁の感じもほんとに心地よくてずーっと聴いていたいくらいの感覚。
これ以外にも、会話の端々に「めっちゃ嬉しい」とか、そういう感情をなんのためらいもなくぶつけてくる感じとか、喋ると楽しいんだろうなーってのがすぐに伝わってきます。
『サラバ!』読んでみよっと。