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なぜ「20代はインプットに注力すべき」なのか

よく「20代(若いうち)はひたすらインプットに注力しろ」というアドバイスをもらうことがある。

これは、そういう意識を持って日々の生活を送っていると、30代以降(年をとったとき)、なにか”成果物”が求められるようになってからそれまでに蓄えていた知識が役に立つ、みたいなことだと思うのだが、正直「それ、ホントかな〜?」と思う。

僕ら現代人は日々、無意識のうちにかなりの情報に触れている。テレビやラジオ、新聞といったマスメディアをはじめ、街中の広告、SNSなどから膨大な情報を浴びながら生活をしている。そして、その情報のほとんどは「見飽きたもの」だったりする。例えばTwitterのタイムライン。だいたい似たような人が似たようなことを呟いていたりする。正直、もうお腹いっぱいだ。

そんな暮らしのなかで、「もっと、ひたすらインプットをしろ」なんて言われても「これ以上どうすればいいの?」と疑問に思わざるを得ない。あとだいたい、なんだ「インプット」って。「入力」でいいだろ。

 

「インプット」の必要性を感じるとき

とはいえ、「インプット」の必要性を猛烈に感じる瞬間がたまに訪れる。

それは、「全く知らないモノに出会ったとき」だ。逆説的かもしれないが、「全く知らないモノ」に出会ったとき、「こんなの全く知らなかった!!」と驚いたり、感心したりすると同時に、「俺ってまだまだ何も知らないんだな…」と知識の乏しさを突きつけられ、打ちのめされた気分になる。

例えば、「旅行」。特に、それまで足を踏み入れたことのない地域にはじめて行くときは、それはそれはたくさんの刺激を浴びることになる。17歳で初めて海外へ行ったとき、毎日が刺激に溢れていたのを思いだす。家の大きさや形、道路の色や幅の広さ、スーパーマーケットの商品の陳列方法の違いやカートの動かしにくさ、ピックアップトラックの多さ…、そのすべてが新鮮だった。そういう「はじめて」の経験をしたときに、「俺はなんて知見が狭いんだ…。もっともっと、いろんな世界を知りたい」と思うのである。

他には、広く言ってしまえば全くやったことのない”体験”全ても、似たような感覚をもたらしてくれる。乗馬とかボルダリングとかバンジージャンプとか、挙げればキリがないが、そうした非日常的な体験も、新鮮なインプットとして自分のなかに蓄積されていく。

 

でも、そういうのってだいたい金がかかる

そう、ここでまた打ちのめされるのだ。「世の中は金がすべてである」ということを。旅行なんて特に金がかかる。ちょっと飛行機に乗っただけでウン万円とかしやがる。ただの移動に、だ。

時間もかかる。普段忙しいサラリーマンが、「休日に、平日の暮らしでは得られない刺激を」とかいって精力的に動くのはなかなか厳しいものがある。やっぱり、なんらかの新しい刺激・知見を得るにはそれ相応のコストがかかるということなのだろうか。

うーん。なんかこう、ネットサーフィンしながら「ほんとうに全く知らなかった情報に巡り会う」ことって無理なのかなぁ。

…と、こういう感じのことを嘆いていたとき、友人(@gonshi_com)が、google chrome拡張で最近とある機能を作ってくれた。それが「知見山」だ。ん?「気円斬」ではない。「知見山」だ。「比叡山」でもない。

 

タブを開く度に、Wikipediaがランダムで表示される

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彼が作った「知見山」の機能はたったひとつ。「Google Chromeで新しいタブを開くとき、Wikipediaのページがランダムで表示される」というもの。めちゃくちゃシンプル。

新しいタブを開く際にランダムにWikipediaのページが表示され、とりあえず読んでみることでひとつ知見が増える。そしてそのひとつひとつは塵のようなものかもしれないが、やがて大きな山となる…、そういう意味で「知見山」と名付けたそうだ。

 

ちょっとよく分からないので、さっそくやってみようと思う。

この編集画面から、「新しいタブ」をクリックすると…

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出てきた!

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「人間の爆発」!!!!!

フラワーカンパニーズの14枚目のシングル、『人間の爆発』のWikipediaのページに自動で飛んだ!全然聞いたことない!ってかフラカンは「深夜高速」しか知らないし、なんだこの名前!斬新すぎるだろ。

そう、機能はたったこれだけ

ちょっと面白いので、もう一回やってみる。新しいタブを追加…っと、

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「OH-58 カイオワ」!!!!!

 やばい、全然知らない!なんだこれ。「ヘリコプター社作った、観測用ヘリコプター」らしい。

それ以降は、「オレンジプラン」「パンガー湾」「英国式庭園殺人事件 」「伊田篤史」…。もうね、全然分からない

そして、7回目でやっと「知床半島」という知っている単語が出てきてホッとしたけど、それ以外は全部初めて聞く単語ばかり。これをやっていると、「世の中、知らないことの方が多い」という事実に簡単に気づくことができる。

開発した@gonshi_com曰く、『「セレンディピティ」を地で行くサービス』とのこと。ちょっとよく分からないけど、エンジニアはすごい。

この「知見山」、やってみれば分かると思うけど、じわじわ効いてくるおもしろさがある。毎回タブがWikipediaのページに飛んでちょっとウザいけど、「次はなんだろう?」というワクワク感がある。単純だけど、これはすごいことだ。「タブを開く」というただの作業のプロセスが、ひとつのエンターテイメントになるのだ。あとは、ごく稀に知っている単語が出てくるとすごくテンションがあがる。

 

この「知見山」で毎回情報を得ることがなんらかの「インプット」に繋がるといえるのかは、もうこの際どうでもいい。しばらくは使い続けてみようと思う。その「知見」がいつか役に立つと信じて、今日も僕はタブを開く。

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