2015年11月 仙台

ふと、唐突に「仙台に行きたい」と思ったので、11月6日から1泊2日で仙台へ行ってきた。

ただ、行きたいと思ったのにも理由があって、一つは、伊坂幸太郎原作の映画『ゴールデンスランバー』に出てくる「定禅寺通」という並木道を歩くことと、もう一つは東北大にいる友人に会いにいくこと。

どっちも無事達成できたことだし、先日の沖縄旅行後に「鉄は熱いうちに打て」ということわざの意味を身に沁みて感じたので、そっちの旅行記より先にこっちのできごとを書いていく。

到着〜松島へ

木曜の仕事終わりに、夜行バスで新宿から仙台へ向かった。11時50分に出発し、約6時間後の5時40分に仙台駅に到着するというスケジュール。

これまで夜行バスには乗ったことがなく、先日行った新宿→長野の4時間の乗車時間が最長だったのだが、やはり疲れていたこともあって、思いの外すぐに仙台に到着した。眠ってから、6秒くらいで着いた。

で、そこからはノープラン。「禅定寺通りを歩く」、「友人に会う」、ということと宿泊地以外に決まっていることはなく、気の向くままに散策しようってワケ。

朝6時台の仙台は寒く、暗く、ほとんど人がいなかった。とりあえず、朝食を摂るのと、済ませたい仕事があったのでモスバーガーへ非難し、2時間くらい作業をすることに。

なんとか仕事を終え、やっと移動ができるように。そこで、まず向かったのは、松島。芭蕉の詩で有名なあの、松島。「牡蠣が食える」という情報だけを頼りに、まずは仙石線というローカル線で松島を目指す。

その前に、駅で「ずんだシェイク」を購入。マツコ・デラックスが絶賛してたし、別の友人が「あれは余裕で1リットル飲める」と豪語していたので、「そこまで言うなら…」ということで。

めっちゃうまぇ! 程よく甘く、けどしつこさはない。普通にフルーティーシェイクという感じえ、ごくごく飲める。モスバーガーでBLTを食べていたとはいえ、朝食としては最高だなと思った。「ずんだって、どうせ枝豆でしょ?」って思ってたけど、想像を遥かに超えてくるウマさ。これはぜひオススメしたい。いざ、松島へ。

仙石線というローカル線で40分くらいかけて、松島へ到着!

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今回着いたのは「松島海岸駅」という駅だったのだけど、駅前は完全に観光地化されていて、遊覧船のチケット売り場や、観光案内所など結構活発な印象だった。

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雰囲気は、海がすぐそばにある港町っぽい感じ。あと「松島」というだけあって、松が多い。海沿いに生えているのはだいたい松だった気がする。

日本三景というだけあって、景色は圧巻。海が穏やかな波を立て、近くには色とりどりの木々や、ちょっとした島。なんというか、「あぁ、これが日本か」と思った。まさに、THE・日本の風景。

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船もたくさん停泊していた。

ここでは、海沿いの公演や五大堂という仏道を見学したりして、まったり過ごしていた。

結局、そんなにカンタンに牡蠣が食べられそうな感じがなかったので、そのまま松島駅まで歩いて向かい、仙台へ帰ることに。「松島海岸駅」から「松島駅」までの距離が微妙に長くて、だいたい20分くらい、県道を歩いた。とにかく、この旅は歩いた。

禅定寺通り〜小判寿司

仙台駅に着くとお腹も空いてきたので、昼食を摂ることに。場所は、同じ会社で働いているいつもお世話になっている金野さんにTwitterで教えてもらった「小判寿司」。

駅から店まで少し距離があるので、商店街を抜け、目的の禅定寺通りを歩いていくことに。

仙台駅前はこういうアーケードが多く、いろんな名前のついている商店街がそこらじゅうにある。おもしろかったのは、都内にあるアーケード違い、それなに道幅が広いこと。数人で横になって歩いてもあまり邪魔にならないくらいの広さで、地方を感じた。

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そして、アーケードを抜けると…。

でた!!!!目的のやつ!

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映画『ゴールデンスランバー』の、冒頭にある総理大臣のパレードのシーンのロケ地である、この場所。最初に見たときにその綺麗さに衝撃を受けて、「仙台に行ったら絶対見に行く」と決めていた。

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めちゃくちゃ綺麗!!何も言うことない!

他にも、「青葉通り」とか「広瀬通り」とか、仙台の駅前にはこうした似たような大きな並木道が多く、ぶっちゃけどこが何通りかパッと見分からない。けど、そんなことはもうどうでもいい。とにかく、街の景色がナチュラルに綺麗なのだ。

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これはたぶん、「広瀬通り」。このカーブから見る景色がまたいい…。訪れた時期もちょうどよく、いい感じに葉が色づいていて、それもまた綺麗。

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道が大きいのもいい。片側3車線くらいあって、人も車もゆったりと移動できる。ほんとにずーっと歩いてた気がするけど、それでも飽きない。

歩くだけで気持ちがいい街。移住しかない。

駅から通りを歩くこと10分くらい。「小判寿司」に到着。 

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ここでの写真はこの1枚だけど、肝心の寿司は、めっちゃくちゃ美味かった。もう、ありえないくらい。

まずメニューが5種類くらいの「おきまり」と、「おまかせ:時価」、「お好み:時価」しかなくて、震えそうになる。まだ20代前半だし、舌も全然肥えてないので、自分は2番目に安い「晩翠」という2000円のおきまりメニューに。

目の前で職人が1貫ずつ握って出してくれるタイプの店で、ずーっと緊張しながら1人で食ってたんだけど、それでもちゃんと美味しさが分かった。隣で、偉い人が「いやいや、先生。今日はわざわざ東京からお越しで?」みたいな会話をしていて、完全に身の丈に合わない場所に来てしまった感はあったが、そんなものは気にしない。

おきまりメニューを食べ終え、最後に、勇気をだして石巻産の「イシナギ」という魚の握りを塩で食べたんだけど、それがもう本当にうまくて、ライフイズビューティフルだなと思った。

仙台城跡

 昼食を摂って満足した後、『「仙台といえば」でよく見る、伊達政宗のアレを観に行きてぇな』と思い、そこへ向かうことに。

例のそれは「仙台城跡」という、伊達政宗が築造した城跡にあるらしく、駅周辺から意外に近いということもあり、歩いていくことに。

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途中、広瀬川を渡る。でかい川はいい。

はっきり言って、仙台駅周辺から歩いて仙台城跡を目指すのは無謀だった。今思うと、けっこうクレイジーだった。何しろ、距離は3キロとそこそこなのだが、いかんせん山の上にあるから、普通に上るのがキツい。もうめちゃくちゃしんどい。ありえない。歩いて登ってるの、たぶん俺しかいなかったんじゃないかな。あれは絶対バスで行くべき。

で、到着。

敷地はけっこう広く、山の下からずんずん登りながら観光していく感じになるんだけど、自分が歩いているなかでいちばん目を引いたのは、この石垣。

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整然と積まれた石。ちゃんと平面を成していて、なにかデカい刃物で切ったかのような整い方をしている。

あまり歴史を信用していない方なんだけど、こういう明らかに「そのむかし、多くの陽人の手で作られたもの」をみると、たしかにそこに歴史を感じざるを得ない部分があって、信じざるを得ない気持ちになってくる。

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普通に山のなかを歩いていて、こういう感じに積まれている石もあった。

頂上に到着すると、やっと見えてくる。「伊達政宗像」だ。やっぱり、想像通りだ。正直、想像通りすぎてなんの感慨も湧かない。完全に「教科書で見たことあるやつ」って感覚。

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それより気になったのはこの場面。

この山の上は大きな広場があったり、神社的なものがあるだけど、「案内役」として、昔の武将や、城に住んでいてたという設定の人たちがいる。それこそ、伊達政宗もいた。

その、昔の人(左)と現代の人(右)が会話を交わしているシーン。なんか一瞬、女性にチラッと見られた気がするけど、まぁいいや。結局、この旅を振り返ってみて一番好きなのがこの写真がこれ。

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 せんだいメディアテーク〜喜助〜ビール

仙台城跡を一通り視察し、バスで市街地へ。

次は、これまた会社の先輩に教えてもらったおもしろスポット「せんだいメディアテーク」へ。ここはいわゆるシビックセンターで、市民図書館や、誰でも使えるスタジオなんかもある。他には多種多様なイベントもあって、文化的なやつがたくさんあった。いつだかの「はじめての仏教」は普通に聴きたいと思った。

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大きな通り沿いに、7階建のこんな鏡張りのでかい建物があるのだから、めちゃくちゃ目立つ。下から見上げると壮観。

中はおじいさんがベンチで寝てたり、借りた本を読んだり、ビデオを観ている人がいたり、けっこう自由な雰囲気。自分も、1階にあるカフェでジンジャーエールを飲みながら本でも読むことに。いやー、夢だったんすよ、旅行先でゆっくり本読むの。

働く男 (文春文庫)

働く男 (文春文庫)

 

でも、夜行バスであまり疲れても取れておらず、1日中歩きまわっていたせいもあって、急激な睡魔に襲われ、だいたい2時間くらい寝てしまっていた…

目が覚めると、牛タン料理屋の「喜助」にいた。そして、なぜか大学時代の友人もいた。

 友人と、ビールを飲みながら、お互いの話をした。ひとつだけ分かったことは、ブラックな研究室は、ややブラックな企業より、遥かにキツいということ。

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そして、その日はそのまま別れ、俺は予約していたカプセルホテルへ…。長い1日が終わった。

あとはツイートでお楽しみください……。