インプットは、アウトプットを意識してはじめて価値が生まれる

以前読んだ、ちきりんの『ゆるく考えよう』にこんなことが書いてあった。

自営業の友人が「成長機会が乏しい」とこぼしていました。確かに、自分が先頭に立ってビジネスを率いているとアウトプットに追いまくられ、なかなかインプットのための時間を確保できません。

しかし、それでも「インプットだけ」より「アウトプットだけ」のほうが圧倒的にましです。 インプットだけの人なんて、いてもいなくても世の中は何も変わらないのですから。

これにはズキューンってきた。あわてて黄緑の蛍光ペンでマークした。それまでは本に折り目をつけたり、ペンでマークするなんてもってのほかだと思っていたのに、そんなこと忘れてとにかくここには分かりやすい印をつけた。

定価518円の本だが、この文を読めただけでも十分元は取れた。

 

中高生時代にこういうタイプの授業があった。

授業開始前に先生が「授業が終わる前に、今日の内容の復習テストやるから」ってやつ。おそらく、多くの人が一度や二度くらいは経験したことあるんじゃないだろうか。

そして、こういうときの授業中の集中力たるや、普段の比ではない。ノートをきちんととることはもちろん、先生が発した言葉ひとつひとつに耳を傾け、どんな問題が小テストに出るのかに全神経を集中させる。

あっ、「そんなことしなくても余裕っしょ」とか「小テストとかちゃんとやったことない」って人については知らない。

だが、僕個人に関してはそういった授業のときの方が、そうでない授業のときよりちゃんと先生の話を聞くし、集中して授業に臨んでいた。

これはまさに、「アウトプットを意識したインプット」だ。そして、言うまでもなく、小テストという「アウトプット」のための「インプット」は良質なものになる。

 

ブログなんてもっと分かりやすい。

例えば、前にラーメン屋に行ったときのレポートを書いた。これは、行く前から記事にすることは決めていて、お気に入りのコンデジがしっかり充電されていることまで確認して、満を持して臨んだ。

いつもならただなんとなくラーメンを食べて終わりだが、「ブログに書く」というアウトプット前提だと、こうも違って見えるのかと驚いた。

店の外装、入り口のドアの形状、テーブルや座席の数、壁に貼られた絵画、店員の声の数や接客の質、そしてラーメンの味…、いつもなら気にも留めないような点がどんどん気になってくる。

店のなかに転がっている情報を少しでも多くかき集めようと、それに対する感度が高くなっているのをはっきりと感じた。

 

アウトプットを前提としないインプットに価値がないわけではない。

そのなかで蓄積されまくった結果、どこかで弾けることがあるかもしれない。ただ、それも結局弾け待ちのアウトプット前提だ。

だから、もっとみんな書評を書いた方がいいし、映画のレビューも、食べたご飯の感想も書いてみるべきだと思う。なにより、そうすることで自分のなかの理解が深まったり、より繊細に物事を感じ取れるようになる。だから、僕も「書評なんてめんどくせぇ…」と思わずに、 勇気を出して書いていこうと思う。書いた自分にしか分からない新たな発見があるなら安いものだ。

まぁ、授業中に小テストをするタイプの先生は大っ嫌いだったんだけどね。

ブログのデザインを変えた

ブログのデザインを変えた。

feedlyの購読ボタンとか、popular postとか、そういう雑多なデザインが嫌になって、「なんかこう、真っ白いスッキリしたやつがいい」と思ったのでZEN 2.0というテーマにしてみた。

我ながら、なかなかしっくりきてる。

 

最近、「◯◯月の当ブログのアクセス数を公開します!」とか、「△△月の収益は☓☓円でした!」みたいな量産型WPブログが目立ってきていて、ちょっと辟易していた。もちろん、先頭集団で走っている人たちについては「すごいなぁ」と思う。あれは純粋にすごい。ただ、まだ始めて半年に満たない、どこかで聞きかじったようなハウツー記事を焼き直ししてるようなブログがそういう感じだと、「お、おぅ」ってなる。

 

「おしこまん」というアルファツイッタラーがいる。

そこそこファニーなアイコンが特徴的で、定期的にファニーなツイートでTLのいいスパイス的存在になっている。

そんなおしこまんのブログ、「夢みたいだなこんな暮らしは」に最近ハマっている。特に「さよなら MacBook Air」は傑作だ。おもしろいことは保証するので、一度読んでみてほしい。

ところが、ふと記事下を見るとあることに気がつく。

ツイートボタンも、いいね!ボタンも、はてブボタンも、Google+ボタンも、何もない。あるのは、Tumblrの「リブログ」と「スキ」機能だけ。

つまり、そもそもソーシャルで拡散されようなんて気がさらさらないということだ。自分の周りの特定の人物と、あとはたまにこうしてふらっと見に来た人がグッと来てくれればそれでいい、ここからはそんな気概を感じる。

「あぁ、ブログって本来こういうものだよな」って思って、なんとなく本当の意味でのブログを久しぶりに見た気がする。

 

ブログを運営する上で大事なのは、数字以外の部分で自分を納得させられる指標を持つことだ。

目的が収益ならAdSenseの位置や記事のシェア数、日々のPV数、直帰率、訪問別PV数は気にするべきだ。だが、「稼げればいいな」程度のブログで毎日そんなことばかり考えていても苦しくなってくるだけだし、何より「そんな、数字ばっか追いかけてどうすんの?」という疑問すら浮かんでくる。

 

だから、結局何が言いたいのかと言うと、まだブログのPV数で消耗してるの?

人生は「黒ひげ危機一発」だ。:オードリー若林著『社会人大学人見知り学部卒業見込』を読んで

僕には「好きな本は何ですか?」 と聞かれて、真っ先に「これです」と答えられる本があります。オードリー若林さんの『社会人大学人見知り学部卒業見込』というエッセイ集です。

かれこれ5回くらい読んでるのですが、読む度に新鮮な体験がある愛読書です。もし、放浪の旅に出ることがあれば、Macとカメラとこの本だけは持って行きたいくらい好きな、そんな本です。

 

この本は『ダ・ヴィンチ』という雑誌のなかで連載されていた若林さんのコラムをまとめた本で、2009年、つまりオードリーがテレビで売れ初めてから書かれたものとなっています。

この本のなかのエピソードで強烈に共感したポイントがあったので、今回はそちらをご紹介したいと思います。

 

樽に剣を刺しまくったオードリー

 オードリーと言えば、テレビに出るまで8年かかった苦労の芸人です。その間はずーっと、新宿のショーパブ「キサラ」で漫才やコントをやっていました。

ときには金髪にしてみたり、時事に切り込んでみたり、アメフトの格好で舞台上でただぶつかってみたり…。そんなことを8年間続けて、M-1グランプリ2009でブレイクし、「テレビの人」となりました。

 

そんなある日プレゼントで「黒ひげ危機一発」をもらった若林さんが、その当時のことを振り返って書かれていたのが以下の文章です。

そうやっていろんなことを試しながら、だんだん今のオードリーになっていった。今がベストな形かどうかはわからないけど、他人の樽からおっさんがバンバン飛んでいるのを横目に剣をたくさん刺した記憶はある。

 

そして、今の漫才の形が受け入れられた時、ようやくぼくの手元にある1つめの樽からおっさんが飛んだんだと思う。

いろんなスタイルの漫才やコントといった、いわば「穴」にひたすら剣を刺しまくってできたのがいまのオードリーのスタイルだというのです。

特にお笑いは、「正解」みたいなものが用意されていない状態からスタートすることになります。なので、自分たちのスタイルを確立するためにはこうした試行錯誤を繰り返さなければいけない、ということがわかると思います。

僕は、ふと思いました。

「これって、人生においても言えることじゃね?」、って。

 

「可能性の少ないことを続けるのが一番もったいなくね?」

僕は小学生の頃、ソフトボールの少年団に入っていました。「スポーツ少年団」と呼ばれるやつです。

その少年団に2年生で入団し、6年生の卒業までのんびり、ゆるーく続けていました。そして、訪れる卒業の時期。やはり、その仲間たちとの間では「中学に入ったらどんな部活動に入るのか?」という話題になります。

予想通り、そのまま野球部に進むという友人が多いなか、そのとき僕は全くソフトボールに関係ない部活動に入部しようと決めていました。

小学生とはいえ、「まぁ、このまま続けてても野球ではレギュラーとか無理そうだな…」みたいなことって分かっちゃうんですよね。なので僕は、もっと可能性のありそうな、別の部活(結局、ソフトテニス部にしました)を希望していました。

ちょうどこの本を読んだとき、このときに考えていたことを思い出したんです。

「ソフトボール」や「野球」の穴に剣を刺してみてもうんともすんとも言わなかった。だから、今度の機会では別の穴に刺してみよう。

まさにこんな感じ。

「もったいなくない?」とか、「続けないと意味がない」みたいなことを言われていた気がするんですけど、僕からしてみれば「可能性のないことを続けて、別の機会を失う方がもったいなくね?」ということしか考えられませんでした。

 

人生は「黒ひげ危機一発」だ

拡大解釈すると、これは人生にも当てはまります。

進路を選択するときも、服装を選ぶときも、今日の夕飯を決めるときも、僕たちは常にいろんな選択肢、つまり「穴」に剣を刺してるんです。

だから、ダメだったらまた別の穴に刺してみればいい。それでもダメだったら…、っていろいろ試してみる価値があるんですよね。

 そうやって、自分なりに試行錯誤を重ねてさまざまな穴に刺しているうちに、「なんかこの穴は無理そうな感じがする」とか、「こっちの穴はちょっと手応えあったから、こっち方面攻めてみるか」とか、そういう目測が立てられるようになってきます。

そして最後に余った一箇所を刺せばルール上は飛ぶ設計になっているので、その過程すらも楽しむことができれば万々歳ですよね。

 

こうして考えると、まさに人生は「黒ひげ危機一発」そのものだな、と。

その中でオードリーはまさしく、「おっさん」を飛ばすことに成功した芸人のうちの一組と言えるでしょう。

そんな「飛ばした側」である若林さんのこの本、その飛ばし方や飛距離、角度など、飛ばした側にしか分からない苦悩などが赤裸々に綴られていて、飛ばしてない方も含め、きっと多くの人に共感してもらえると思います。

文章も読みやすく、さらっと読めるので気になる方はぜひ一度手にとってみてはいかがでしょうか。

 

僕がtofubeatsのCDを買う理由は、「発売前に全曲フルで試聴できるから」。

tofubeatsさんの1stアルバムが10月2日に発売されます。

www.tofubeats.com

 

tofubeatsさんは、中学時代から音楽を作り始め現在ではアイドルプロデュースやCMなどのクライアントワークも手がける、神戸在住のトラックメイカーです。

1990年生まれの平成世代ということで注目を浴びているクリエイターのうちの一人です。もちろん、僕も大好きなアーティストの一人です。

 

今回のアルバムのタイトルは「First Album」。発売は「とーふびーつ」の「とーふ」に合わせて10月2日なんですね。

楽曲には、藤井隆さん、森高千里さん、BONNIE PINKさんなどなど、ゲストアーティストもかなり多くの方が参加しており、大変豪華なアルバムとなっています。

 

そんなこちらのアルバム、実は発売前にも関わらず全曲試聴することができるんですよ。しかも、公式で

 

音源はSOUNDCLOUDにアップされているので、こちらで全曲試聴が可能なんです。

 かつてこんな太っ腹なアーティストがいたでしょうか?

 

「聴いて、お金を出したいと思った人が買ってくれればいい」

こちらのページでは、同じく平成世代のクリエイターとして著名なerror403という方と昨年4月に行われた対談記事がアップされています。


tofubeats × error403 対談 ネット世代のクリエイターが向かう先 - CINRA.STORE - 音楽,アート,デザイン,映画,演劇のショップサイト

 

実はこのなかで、こうして音源を”タダ”で配っている理由について明かされているので、少し引用してご紹介したいと思います。

— これまではずっとネットで配ってきたわけですもんね。

tofubeats:今回のアルバムもiTunesで全曲無料でフル尺聴けるんですよ。それ聴いて、お金出したいと思った人が買ってくれればいい。エラーさんもそうじゃないですか? Twitterで手の内は明かしてて、それで好きな人が本を買うっていう。

error403:そうですね。僕も自分の漫画はわりとインターネットに載せてて、雑誌で連載した漫画をそのままウェブに載っけるってなかなかできないと思うんですけど、そこは『ジオラマ』の森さんと相談してやらせていただきました。

tofubeats:そう、だから今後はそういう権利の相談をいかに頑張るかにかかってるんですよね。

error403:そういう問題と直面したのは、人と一緒に物を作ったからですよね。

tofubeats:そうそうそう。

error403:森さんは理解があったからよかったけど、これが出版社だとまた違うだろうから、難しいところですよね。そういうこともあって、僕はできるだけ一人でやりたいと思ってます。

tofubeats:僕はこういう権利のこととか、企業にもちゃんと言いまくるようにしてるんですよね。「僕にオファーするってことは、わかってますよね?」って言えるように、手の内は全部明かすっていう。いろんな人に読んでもらったり、聴いてもらいたいから作ってるわけで、大金持ちになりたいと思ってるわけじゃないし、なれるとも思ってない。そういうところだけが大事なんです。

「いろんな人に読んでもらったり、聴いてもらいたいから作ってる」

tofubeatsさんがクリエイターである所以がこの中にぎっしり詰まっているような気がします。

 

たしかに、いくらCDが売れないとはいえこの方法は極端ではあると思います。中には、無料で配信されている音源やYouTubeの配信だけで満足するという方も出てくるでしょう。

ですが、ちょっと精神論っぽくなっちゃうんですが、この「昭和世代にはマネできない平成世代の戦い方」をしてるクリエイターの姿に心を打たれる人も出てくると思うんです。現にこうした戦略を見て、「こいつイケてるな」って思えばそれで十分なんです。こうした、活動のひとつひとつをファンは見ているんですよね。

僕がtofubeatsのアルバムを購入したきっかけも、ウェブ上でのフルバージョンの試聴によるものです。楽曲の内容は当然のことながら、その心意気、スタンスみたいなものにグッと引き込まれたいったんですよね。

 で、タダでフルバージョンを聴けるのにお金を出して曲を買うのには、「ちゃんと作り手」に還元したいという気持ちもあります。やっぱり、自分が好きな曲とかテンションがあがる曲を作ってる方にはそれ相応の対価を払う必要があると思っています。それは、タダで聴ける環境が整っていても同じことなんです。

さいごに

もちろん同じ平成世代だから、というのも大きいです。

さらにTwitterなどのウェブ上での活動もめちゃくちゃアクティブだし、どうしても親近感が湧いてしまうんですよね。

 以前出した「lost decade」というアルバムも個人的にはかなり好みだったので、今回ももちろん購入しようと思っています。もう、フラゲできるのかな?

あっ、「lost decade」ももちろん全曲試聴可能です。

 

ちなみに、「First Album」では5曲目に収録されている藤井隆さんとの「ディスコの神様」が一番好きです。

こちらのライブバージョンの高揚感もたまらないっすね。「藤井隆」という人間のエンターテイメント性の高さをまざまざと見せつけられます。

五木の「鍋焼チャンポン」が簡単すぎるのにめちゃくちゃウマイ

千葉に引っ越してきたのは去年の4月なんですが、ひとつだけ驚いたことがあるんです。

 

それは…、

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これがない。

スーパーにもコンビニにもどこにもない。

 

地元である鹿児島には山のようにあった、この「鍋焼」シリーズ。関東に来てからというもの一度も見てない気がするんですよね。

気になって調べてみると、本社は熊本にあるそうで。どうりで…。


五木食品株式会社 | Everyday,heartful life おいしい笑顔が大好きです。

 

そんなこの「鍋焼」シリーズ、食べたことない方もいらっしゃると思いますが、めちゃんこうまいんですよ。なのに、地元にいるころは、大型スーパーのワゴンに入れてめちゃくちゃに投げ売りされてたので、死ぬほど食ってました。

というわけで、今回は実家からわざわざ取り寄せたこちらの「鍋焼チャンポン」を作ってみたのでレポートしようと思います。

 

つくってみた

基本的には、このアルミの容器さえあれば十分なつくりになっています。なので、底は結構深め。

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蓋を取るとこんな感じで中身が出てきます。今回作ったちゃんぽんだと、麺、スープのもと、かやく、調味油ですね。

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作り方も丁寧に載っています。マニュアル人間なので、寸分違わずこの通りに作ります。

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水を入れた容器に麺を入れて火にかけます。「コンロが汚い」とか言わないでください。掃除しても取れないんですよ、こういう類の汚れって。

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ちょうどいい感じになったら、スープ、かやく、調味油を入れます。いや、だからコンロが汚いのはいいじゃないですか。

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しばらく待ちます。

 

 

 

できました。完成です。

ここまでの時間は3分です。ほぼ、汚いコンロの前で待ってただけです。

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※ここからテーブルへ運ぶんですが、いかんせんアルミ容器なので熱いです。めちゃくちゃ熱いです。そこだけは注意が必要です。

 

火傷を負いながらテーブルへ運んできました。テーブルはきれいですね。にしても、うまそう。

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麺はこんな感じ。しっかりした中太麺です。うまそう。

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で、食べるとこれが予想をはるかに上回ってくる美味さなんですよ。ほんとに、火の前で待ってただけとは思えないクオリティ。

スープも、普通のカップ麺とはちょっとちがう美味さがあります。より、中毒性が高いというか。

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結局、飲み干してしまいました。

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これ、あとは捨てるだけです。なんということでしょう。洗うのは箸だけで、それ以外のものは全部捨てられるんです。そして、それでいてちゃんとうまい。

火にかけているので、気分によって卵とかも入れてもいいかもしれないです。

 

ほんとこれ、千葉とかでみかけたら誰か教えてください。質素な生活を送っていう学生の心強すぎる味方になるので。うまいし。