旋盤は男のロマン
「男のロマン」は、クルマでも野球でもプラモデルでもギャンブルでもなくて、「工作機械」だと思うんですよ。唸りを上げながら駆動するモータ、火花を散らしながら鋭利な工具で切削される金属、そしてなんといっても見た目のメカメカしさ。まぁ、紛うことなき「メカ」だしね。
僕は中学を卒業して、15歳から20歳までの5年間、工業高等専門学校という学校の機械工学科に所属していました。文字通り、機械に関するあらゆることを学ぶ学科で、ずっと「なんでこんな学校に来てしまったのだろう…」と思いながら通っていたのですが、そのなかで唯一、「これは、おもしれぇぞ…」と思ったのは毎週金曜日にあった「工作実習」という授業。実習では、何週かに分けてさまざまな工作機械を扱ってモノづくりの体験をするというのがメインで、僕は特に「旋盤」を扱う回がめちゃくちゃ楽しかったんですよね。
1年目の冬に旋盤を扱う実習があり、めちゃくちゃ寒い仮設のプレハブ工場での作業だったのですが、高速で回る棒状の部品を、刃物を当てて少しずつ削っていくというのが、ただ単純に楽しかったんです。メモリを0.5ミリだけずらして、刃物を当てて削って…、ってのがシンプルですけど、うまくいったときの達成感が結構あったんですよね。
そんな背景があり、今でも旋盤だけは家に欲しいなと思っています。ってことでちょっと旋盤について調べてみました。
画像は、コンピュータ制御をしない、いわゆる「汎用旋盤」と呼ばれるもの。おそらく多くの工業系の学校で一番最初に触る工作機械なんじゃないでしょうか。棒状の部品を機械に、地面に対して平行に固定し、それごと高速回転させ、刃物台に取り付けた切削工具(バイトといいます)を近づけることで切削していきます。
回転するハンドルに目盛りがついており、これを調整することによって、削り取る量(刃物を当てる深さ)を決定し、目指したい大きさにします。
引用:汎用旋盤 七尺旋盤
これはCNC旋盤といって、コンピュータを用いて数値制御を行う旋盤。汎用旋盤では目盛りを手動で調整するのですが、これは基本的にコンピュータに入力された情報を元に切削を行います。日本で使われている旋盤の、ほとんど全てがこのCNC旋盤と言われています。
扉がついてたりするので、切削時に使う油が飛び散らなくていいですね。掃除がラクです。あと、加工中に服などを巻き取られる心配がなく、安全性もあるはず。
これは、唐津鐵工所 というメーカが作ってる大型のCNC旋盤。人が側にいるので比較できるのですが、めちゃくちゃデカい。
工業高等専門学校時代に、長崎にある三菱重工業の造船所に工場見学に行ったのですが、これよりデカい旋盤があり、腰が抜けるほどビビった記憶があります。あれはちょっとデカすぎて畏怖を覚えるレベルでした。
これはタレット旋盤と呼ばれるもので、タレットと呼ばれる旋回式の刃物台に複数の刃物を取り付けることができます。いちいち刃物を交換しなくてもいいので、効率的にいろんな工具を使って削ることができるんですね。「タロット占い」と語感が似てますね。
引用:タレット旋盤 日立精機 3AIII|中古機械ならマシンライフ
Amazonで検索すると、小型の卓上旋盤売ってるんですよね。別に作りたいものはないけど、ただただ金属を削りたい欲を解消するために欲しい。