千原ジュニアの本「便所は宇宙である」シリーズに学ぶネタ探しのコツ
先日こんなポスターを見ました。
…。
いや、だめでしょ!!
「すっぴん、本気でやかない!」って書いてある化粧品のポスターがめちゃくちゃ日焼けしてたらあかんやん。
いや、ほんとに。一番気にすべきところですよ、これは。絶対にやってはいけないことです。このポスター、人の肌で言ったら松崎しげるくらい焼けてるんじゃないでしょうかね。
ただ、これを見たとき、まず「だめでしょ!」って思ったんですけど、それよりその”違和感”に気づけたことが嬉しかったんですよね。
なんの変哲もない、街で見かけるただのポスター。
次の場所へ急いでたり、どこか調子が悪いときには、おそらくこんなことには気づかなかったでしょう。でもその日、この些細な変化に気づけたことがちょっと嬉しくなって、思わず写真を撮ってしまいました。
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最近、千原ジュニアさんの『はなはだ、便所は宇宙である』 という本を読みました。これ。
電子版はなかったので買うか迷ったのですが、どうしても気になったので書店で購入しました。
買ってから気づいたのですが、今回買った『はなはだ〜』はこのシリーズの第4弾みたいですね。まぁ、そんなことはいい。
そもそも、この本は「千原ジュニアが便所で考えるああでもないこうでもないことを文字にして連載にしたらおもしろいんじゃないか?」という発想から始まったものです。
千原ジュニアが住む自室のトイレには、
一冊の黒いノートが置いてあるという。
普段からトイレで物思いにふけることが多いという彼は、
そこで思いついた言葉をノートに書き記す習慣があるというのだ。
冒頭にも書いてあるように、トイレに置いてあるノートが直接のきっかけになっているそうなのです。
で、この本。まぁ、おもしろい。
まず、だいたい全てのエピソードが800字くらいに収まっているので、サクサク読み進められます。読書が苦手な人でも楽しく読めるんじゃないでしょうか。
中には見開きで読み終えることができるエピソードもあります。
物語でもない、啓発書でもない、「千原ジュニアのエピソード」という新ジャンルの本を読んでいるような感覚で、かと思えば「へぇ〜!」と思わず唸ってしまうようなタメになる話も含まれていたり、1冊のなかでいろんな要素を楽しめる本だと思います。
特に読みながら感じるのは、「よくこんな細かいところに目がつくなぁ!」ということ。普通の人なら疑問にすら思わないことを拾い上げ、ネタにし、笑いに昇華してしまいます。「うたがいの神様」って呼ばれるだけありますよね、ホント。普通そこまで気づく?笑
例えばこのへん。
”親御さん”っていう言葉があります。
これって耳触り的には「親子さん」を想像してしまうんですよ。「あそこのオヤゴさん、しっかりしてますね。」と言うと、音的に「親と子がしっかりしてる」と思ってしまいます。
大体、『御礼』とか『御祝い』、『御茶』のように『御』は言葉の上に付くことが多いのに、なぜ”親御さん”だけ言葉の下に付くのでしょうか。本来なら、”御親さん”が正しいと思うんですよ。親を敬うという意味ですし。
こんなの、考えたこともなかった。でも、「たしかにっ!」って思っちゃいますよね。
この本、最近起こったエピソードなどの他にこういう細かい話がたっくさん出てきます。笑 うんざりするくらい出てきます。
帯を見ても興味をそそられるものもありますね。「魂を売った日」とか「首」とか、気になりますね。
個人的には、「こうなったらやっぱり千原ジュニアのトークが聴きたい」 って読みながら思っちゃったんですけど、それでも十分おもしろいです。遡って他のシリーズも買ってやろうかと思ってます。
通して読んでみて強く思ったのは、「芸人ってネタ探しをする姿勢が普段からできてるなぁ」ということ。
特にトークで客を笑わせるような千原ジュニアさんのようなタイプの人は、普通に生きてて一般人の何倍もいろんなことを考えているはずです。もちろん、ネタを作る芸人さんもそうです。
「あぁ、これはネタに使える」とか、「ここはラジオで話そう」、「あの出来事をフリにして、さっきのアレをフリートークで話そう」とか、みんなそんなことばっかり考えて生活してるんじゃないですかね。
どんなジャンルにも言えることですが、「ネタがない」なんて言うと怒られそうですね、ほんと。この辺の感覚はぜひ読んでみて味わってほしいですね。
あぁ、「ノーモーション」も気になるな…。
はなはだ、便所は宇宙である | ||||
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